人事評価制度は、単に給与額を算出するためのものではありません。また、人事評価制度の作成により従業員満足度がすぐに高まるということでもありません。人事評価制度は、会社が目指す方向を従業員に示すと同時に会社への貢献に報い、会社と従業員が共に成長していけるようにするための道具と言えます。すなわち、マネジメントを推進するための手段の一つだということです。
創業期から成長期に入る会社では、仕事の分化が進み、組織の形ができていくに従い、従業員のベクトルも合わせにくくなってきます。従業員同士のベクトルが合わなければ、事業の推進力や社員の能力開発スピードも落ちてしまいます。そのような時期に今一度、自社のビジョン、目標と求められる働き方、人材像を提示し、それに貢献する社員にどのように報いるか、貢献するためにはどのような能力開発が求められているのかを示すことが重要です。
本プログラムは、そのような人事評価制度を経営幹部陣と一緒に検討、策定していくためのものです。好ましい人事評価制度を策定するプロセスを通じて、経営幹部陣の会社全体や人材育成の視点を強化し、マネジメント力の向上にもつなげていくことになります。
●それぞれの仕組みがどのように関わるのか、なぜそのような仕組みを選択する必要があるのかを
明確にすること。(その仕組みを導入するロジックは明快か?)
●その仕組みを導入した場合のメリット・デメリットを踏まえて採用する。
●財務的視点による中長期的な展望についても検討する。
成果によって給与に差をつけたい、という要望をいただくことがあります。その際に重要なことは、部署ごと、職種ごとに何が成果なのか、その成果の獲得にはどの要素が大きく影響していると考えるのかを設定しておくことです。
ここでは、成果獲得のための要素を以下の3つに設定しています。
・結果そのもの
・特定のスキル、能力
・かけた時間
「結果そのもの」というのは、成果が数値で判定できる仕事が該当します。営業職などがその典型です。もちろん、プレゼンスキル、ヒアリングスキルといった能力を駆使して受注という成果を獲得するのが営業職ですが、「結果そのもの」で評価をするとした場合は、そこに至るプロセスや保有能力は大きく取り上げません。「結果そのもの」の要素で評価する場合は、成果の大きさのみで見ていくことになります。
「特定のスキル、能力」は、その仕事を進める上で専門的な知識や積み上げた経験によって得られたスキルを評価対象とする仕事が該当します。例えば、法務知識を駆使して問題に対応する法務担当者や生産現場で作業をする技能者などです。どのくらいの件数を処理したのか、生産したのかというのが成果となりますが、その結果よりもむしろ保有している能力を評価対象とすることになります。
「かけた時間」は、何時間働いたかという勤務時間そのものを指します。決められた時間で決められた仕事を決められたとおりに遂行することが重要視されるような方々が対象となります。定例業務をしっかりとやり切る管理部門系の方々となります。
このように要素を分けて見ますと、「結果そのもの」を評価するということはハイリスクハイリターン、「かけた時間」を評価するということはローリスクローリターン、「特定のスキル、能力」を評価するということはミドルリスクミドルリターンであると捉えることができます。このようにどのような働き方、報酬の受け取り方をしたいのか、してもらいたいのか、といった観点から成果主義の度合いを職種ごとに変えていく必要があります。
回数 |
内容 | 詳細 |
第0回 | 確認 |
・策定メンバー確認 ・初回日程確定
・資料提出依頼(賃金、規定、組織図、会社案 ・制度改定、構築の方向性確認 ・事業概要、今後の戦略の方向性確認 |
第1回 | 準備 |
・賃金分析(年齢、役職、県・業種別平均比較) ・役職(等級)別賃金レンジ仮設定 ・諸手当改廃の方針案検討 ・等級仮設定案検討 |
訪問 |
・制度改定、構築の方向性再確認 ・事業概要、今後の戦略の方向性再確認 ・近年の昇給実績確認(全社・一人あたり) ・賃金水準改定の方針検討 ・諸手当改廃の方針検討 ・等級設定の方針検討 ・評価表設計案検討 |
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第2回 | 準備 |
・仮格付けリスト・等級レベル設計案検討 ・諸手当改廃案作成 ・賃金シミュレーション資料作成 ・仮格付けリスト・賃金連動化 ・賞与格差確認 ・等級基準案作成 ・評価基準案作成 |
訪問 |
・賃金シミュレーション結果検討 ・移行措置検討 ・諸手当改廃決定 ・賞与水準・賞与格差の検討 ・等級基準案検討 ・評価基準案検討 |
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第3回 | 準備 |
・昇給モデル作成 ・昇給モデルシミュレーションチェック ・賞与反映モデル作成 ・賞与モデルシミュレーションチェック ・等級基準修正 ・評価基準修正 ・諸規定修正ポイント、修正方針作成 |
訪問 |
・昇給シミュレーション検討 ・賞与シミュレーション検討 ・等級基準検討 ・評価基準検討 ・諸規定改定案検討 |
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第4回 | 準備 |
・社員説明会資料作成 ・規定改定文案作成 ・評価制度運用マニュアル作成 ・昇給、賞与モデル修正 |
訪問 |
・社員説明会資料検討 ・規定改定案検討 ・運用マニュアル案検討 ・社員説明会、今後の教育・運用方向検討 |
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第5回 | 準備 |
・社員説明会資料修正 ・規定改定案修正 ・運用マニュアル案修正 |
訪問 | ・社員説明会実施 | |
最終 | ・要修正箇所の修正 |
対象:従業員100名未満の会社
※100名以上の場合はご相談ください。
期間:3ヶ月~6ヶ月
費用:120万円(税別)