組織の問題発見と共有を促進するマネジメント

明治7年1月12日(西暦1874年1月12日)に征韓論に敗れて参議を辞職した板垣退助、

江藤新平、副島種臣、後藤象二郎らが愛国公党を結成。

これまでの薩長閥政治を批判し、国民による選挙によって議員を選び、議会を開設

するべきだと主張し、1月17日に民選議員設立建白書を政府に提出。(のち却下される)

 


当時は、明治維新を主導した薩摩藩、長州藩が政府高官を独占していました。それ以外

の藩出身者はその状況に不満を持っていました。

 


板垣退助もその一人です。そこから限られた人たちで国を動かすのではなく、広く多く

の人たちの意見を取り入れながら皆で国を運営していくべきだと考え、自由民権運動

を展開していきました。

 


そのスタートラインが愛国公党の結成と民選議員設立建白書の提出となります。

 

仕事をする上では、問題とは「あるべき姿」と「現状の姿」のギャップであると言われ

ています。しかし、その「あるべき姿」とはどういうものなのか?と聞かれると明確に

こうだ、と説明することができる人は多くはありません。

 


業務改善や職場改善を進める際には、現状の問題を特定する必要があります。しかし、

「あるべき姿」とは何か、どうあるべきか、を明確にしていくところでつまずいてしま

い、動きが鈍くなったり、止まってしまうことが多々あります。

 


問題意識が低い社員が多いと嘆く経営者からの声も多く聞かれます。

 


問題意識が低いということは、「あるべき姿」が描けていないか、「現状の姿」を正し

く把握することができていないか、あるいはその両方だということになります。「ある

べき姿」と「現状の姿」のギャップを認識できていないから問題が見えていないという

ことです。

 

 

 

問題意識が低い社員は、本来なら問題と捉えるべきことを簡単にスルーしてしまいます。

そのくせ、会社や組織に対する不平不満をためてしまい、自分自身の行動エネルギーを

減少させてしまいます。(自覚しながら、あるいは無自覚のうちに)

 


そうであるなら、まずは、現状の不満を共有することから始めてみても良いのではない

でしょうか。

 


現状の不満を吐き出すとなると、悪口大会、他者批判大会となってしまいそうですが、

不満があるからこそ、それを解消したいと思うのが人間です。

 


野村克也氏は「人間は不満がなければ成長しない」と言っています。現状に満足している

のであれば、現状維持で良いわけで、それ以上のことをする必要もなくなります。

 


不満を言いっぱなしにして終わっていては、単に皆のマイナスのエネルギーを集めただけ

となります。そこで終わらせるのではなく、では、どうすべきか、と切り替えることができ

るかどうか、具体的な行動に移せるかどうかが重要となります。

 


現状の不平不満、欠点を共有し、そこからどうありたいか、そのためにどうすべきかというこ

とを議論する場を設定することは社員教育、組織風土づくりには欠かせないことだと思います。

 

 

そのためにもその場を上手く取りまとめる役割であるファシリテーター(議論の活性化促進役)

が重要となります。