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交渉パターン

慶応4年4月11日(1868年5月3日)、上野寛永寺で謹慎中の前将軍徳川慶喜が新たな謹

慎先である水戸に向けて出発したことにより江戸城が無血開城されました。

 

官軍側の西郷隆盛と旧幕府側の勝海舟による交渉が江戸城無血開城を実現させたとい

うのは有名な話です。

 

交渉は英語では「negotiation(ネゴシエーション)」と言います。語源は、ラテン語

の「negotium」(商売、家業)です。これは「neg = not」と「otium = time free  

from activity」という単語に分解することができます。意味は、「暇ではない」とい

うことです。そして、「business」は「busy(忙しい)」から派生しているとのこと

です。

 

「暇ではない」=「忙しい」となりますので、「negotiation」 = 「business」ともな

ります。ビジネス、仕事というのは交渉することそのものである、とも言えるのかもし

れません。

 

交渉は、相互の主張を確認し合い、お互いが納得できる合意点を得る行為です。その際

によく表現される交渉パターンとして、「win - win」の関係があります。すなわち、

相互の主張が受け入れられた関係ということであり、互いに満足できる交渉結果となっ

たということです。

 

逆に、「win - lose」の関係という場合もあります。これは、一方の主張を部分的(ま

たは、全面的)に引っ込め、相手の主張を受け入れることで交渉を成立させるような時

です。一見、交渉は成立していますが、お互いに満足した結果か、というと、片方は満

足していませんので、後々の関係にしこりを残すことになります。

 

一時だけの関係であれば、自分の主張を言い張り、相手に強引に了承させて、自分を満

足させていけば良いのかもしれません。しかし、そのようなことを続けていけば、周囲

との良い関係は構築できずに、孤立してしまいます。

 

「win - win」になるに越したことはありませんが、「win - lose」でその場限りの合意

を得るのであれば、逆に「no deal」(交渉不成立)を選択した方が良い場合もあります。

無理に納得して不満をくすぶらすよりも、互いの状況が変わった段階で改めて新しい条件

のもとで交渉を再開するということです。

 

「交渉不成立」は交渉に失敗した、商談に失敗した、と捉えられるかもしれませんが、そ

のような選択肢を準備しておくことも仕事をする上では必要なことだと思います。