嘉吉元年6月24日(西暦1441年7月12日)、播磨、備前、美作の守護赤松満祐により
室町幕府第6代将軍足利義教が暗殺されました。ちなみに、義教暗殺から幕府の追討
軍に攻められた赤松満祐が自害するまでの出来事を嘉吉の乱と言います。
将軍義教は、将軍権威を強化するために、守護大名の家督相続に積極的に介入し、
意に沿わない大名は徹底的に誅殺、排除しました。いわゆる恐怖政治というやつで
す。当時の公家の日記の中にはその有様を「万人恐怖」と表現していたものがあり
ました。
将軍を暗殺した赤松満祐は、自分が将軍に討たれる、という噂が出ていたこともあり、
やられる前にやってしまえ、と考えたようです。
なぜ、足利義教は恐怖でマネジメントをしようしたのか。それは、室町幕府の脆弱性に
よるものだと思います。室町幕府の初代将軍は、足利尊氏ですが、この人は、戦が強く
て、気前の良いおじさんでした。なので、部下にどんどん領地を分け与えてしまいまし
た。政治的な才能はあまりないため、幕府の財政や政治体制をどうするべきかなどは人
任せの部分がありました。その結果、緩い縛りの中で各地に守護を配置することになり
ます。
守護に任命された当初は、守護にしてくれた尊氏に恩義を感じていますが、幕府との
関係性、縛りが緩いので、代替わりしていくに従い、それぞれの守護は独自色を強め、
幕府を軽視するようになります。そこに登場したのが、義教です。
例えるとしたら、FC本部とフランチャイジーの関係になります。FC本部の力(ノウ
ハウ開発力、サポート力、FCジー管理力、等)が弱ければ加盟した各FCジーは独自
のやり方で運営して、本部を当てにしなくなります。だからといって、強権的に、
本部の意向を押し付けて、それに同意しないFCジーは違約金払わせて解約する、と
したら大きな反発が出ます。
フランチャイズビジネスにおいては、本部もFCジーもWIN-WINとなる体制、仕組を構築
することが必要となります。どちらかが不利益を得る、となった時点でそのビジネス
モデルは成立しなくなります。
それは、企業とそこで働く従業員との間でも言えることだと思います。
社員のやりがい感や成長したいという意欲、働かせてもらっているという感謝の気持
ちを悪いように利用し、実態はWIN-LOSEの関係であるのにWIN-WINの関係に見せかけよ
うとするのがブラック企業です。いわゆる、「やりがい搾取」と言われているものです。
この仕事はやりがいのある仕事である、だからこんな仕事につけることに感謝すべきだ
ということを前面に出し、安い賃金で働かせる方法です。やりがいがある仕事、自分を
成長させてくれる仕事、だからその分、安い給料でも価値がある、という理屈です。
会社と社員、売り手と買い手、どんな関係でも常に互いに「三方よし」の精神で臨みたい
ものです。
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