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プラス思考の生産性

 日本の生産性は先進国中最下位だとか、OECD中20何位だとかと言われる。日本の生産性がいかに低いかという話だ。これを根拠にして、だから日本の会社は生産性を上げなければならない、と指摘するのはどうかと思う。

 生産性について外国と単純に比較することは難しいのではないか。日本の生産性が低くなる要因としては、中小零細企業の多さ、失業率の低さ(その分、会社は余剰人員を抱えているということ)、過剰なサービス品質の追求、より良いモノをできるだけ安く提供する姿勢等か挙げられている。規模が小さい事業者がたくさんあるために、規模の経済を活かすことができていない、というのは非常にもったいないことだと思うが、失業率の低さや高品質の追求、良いものをより安く、という姿勢などはむしろ良いことだと思う。

 では、日本の企業には生産性という概念を当てはめるべきではない、となるかというと、それはそれでまた違ってくる。今よりもより良い状態にするためには、やはり、生産性という捉え方は必要となってくる。継続的に業務改善に取り組んでいくことで事業のブレークスルーは実現するのだと思う。では、どう捉えるべきか、というと、生産性というのは、あくまでも個々の企業の中で見る一つの指標として扱うべきものだということだ。つまり、マクロでみるよりもミクロで見る指標だということだ。

 マクロから生産性を捉えて、日本はダメだ、だから●●する、という悲壮的な発想ではなく、ミクロで見たときに、自社の生産性の課題は■■と▲▲なので、●●することでより良いものにしていく、という前向きな取り組みにすることが重要かと思う。経営者が自社の生産性を上げていかなければならない、と言うと、大抵の社員は、自分たちはそんなに仕事をしていないと思われているのか、と受けとめる。そのような感情からの取り組みではなく、●●になるためにはどうしたら良いか、●●ができるようになるためには何をするかといったプラスの感情からの取り組みにしていくことが重要だと思う。